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農機のベストな選び方

キマタがお届けするベストな農業機械選びの考え方についてご紹介します。

 

1.目的・用途に合致した農機を選ぶ

農機は、プロの農家の方から家庭菜園・ガーデニング愛好家、そして、刈払機などは一般のかたにまで幅広く浸透するとても身近な機械です。いずれの農機も、作業の効率を上げるため導入されますが、中には本当に目的にそった農機を選ばれていない傾向が見受けられます。また、操作がわからず機械がもつ本来の成果を発揮できていないことも少なくありません。さらに、本来向いていない用途にでも「なんとなく使えてしまったので、そのまま今にいたる」という驚くようなケースもあります。ビギナー(初心者)のかたに多い傾向ともいえますが、自動車や家電製品と違い情報が少ないのがその理由だと考えられます。

 

2.必要な性能の目安を考える

畑・田んぼなどの圃場の広さに応じて、もちろん必要な性能は変わってきます。圃場が広ければ広いほど、とうぜん高い性能が求められます。農機の性能はよく「馬力」という単位で表されますが、呼んで字のごとく長い農耕の歴史の中で家畜に支えられてきたあかしでもあり、借りることのできる馬の数が多ければ多いほど効率も規模も大きなものになりました。

しかし、性能とそれにかかる費用は比例しています。より高い性能を求めれば、より高い出費がつきものです。ここで重要なのは、過不足のない性能をもった一台をピタリと選びきることにあります。傾向としては、現在必要とする作業量に対して少なく見積もられるようです。メーカーが表示する「~ha対応」などの数字は、実際に試験場などでかなり悪条件下で取得したデータをもとにしており、情報化社会・インターネットの普及もあってかなりの的確さがあるといえます。そのため、まずはカタログ、ホームページなどの機種情報とそれに対応した性能表などに目を向けましょう。

「メーカーは性能を少なく見積もっている」といったお話を聞くことがあるかもしれません。たしかに、性能が足りなくても農機は働いてくれますが、機械に無理をさせた結果、「燃料の減りが早い」「消耗品の交換タイミングが早くなった」など老朽化をすすめることでかえって出費がかさんだり不意のトラブルに見舞われるだけでなく、作業者自身も無理をすることで逆に効率が落ちるという悪循環に陥りがちです。

もし、実演(試乗・試用)の機会があればぜひ利用して下さい。その上で、やはりショップの店員さんにアドバイスを求めることがいちばんの近道と言えるでしょう。そのため、ショップの選択眼もあわせてみがくことがたいせつです。

 

3.メーカーサイトを利用した耕うん機のベストチョイスの例

これらを踏まえた上で、クボタ社の「クボタ電農スクエア 菜園倶楽部  ミニ耕うん機の選び方」を例に上げて考えてみます。

このサイトは、「ぴったりの一台を見つけよう」というコンセプトのとおり、小規模圃場管理や家庭菜園やガーデニングで活躍する(ミニ)耕うん機の目的・性能別にわかりやすく一覧にまとめられています。

まず、最下段のピンクの枠で囲んだ「表記について」に着目して下さい。選択肢として「畑の大きさ・広さ」「燃料のタイプ別」「ロータリーのタイプ別」と説明がされています。その上で、最上段にある①のボタンの項目のうちいずれかを選択すると②畑の規模③燃料方式④ロータリの種別(位置)で商品が自動的に並び替わります。

②畑の規模については、これを少なく見積もることは、先程も述べましたとおり、かえって非効率になるのでおすすめいたしません。

③燃料方式についてですが、電動式、ガス(カセットガス)式、ガソリン式とそれぞれあります。

やはりもっともパワーが有るのはガソリン方式です(ただし、将来的にはわかりません)。お近くでガソリン携行缶に給油してもらえるガソリンスタンドがあるのならば、燃料の運搬性や保管性、稼働時間を考慮しても現在のところベストな選択肢といえます。特に耕うん機は、そのままのレギュラーガソリンを給油して稼働できるため、刈払機などの混合ガソリン(2ストローク)のような手間がありません。

カセットガス方式ですが、パワーはやや劣るものの、燃料としての調達のしやすさはガソリン式には負けていません。どちらの家庭にもたいていは常備されているように、ガソリンスタンドが開いていないときでも入手できるのは日中忙しい方には最適といえます。安全性、運搬性も高くこれからの農機の燃料のラインナップを支えるものとして注目されています。ただし、使用済みガス缶の処分などの課題がつきまといます。

最後に、電動式(バッテリー式)ですが、静音性が高く振動も軽減され、比較的女性に愛好される傾向にあります。その分、やはりパワーの不足感と燃料の持ち時間が課題になるかと思います。規模の大きな菜園や畑などでは、予備バッテリーか、もしくは、充電設備が近くにないと厳しく、また、交換(予備)バッテリーそのものがいずれ劣化する消耗品でありながらやはりガソリンやカセットガスに比べると割高となっています。

いずれの燃料方式も、農機の中心的燃料として今後情勢が変わってくる可能性がありますが、規模の大きさ、効率、コストパフォーマンスを求めるのであれば、総合的にガソリン方式に軍配があがります。

ちなみに、トラクターなどの軽油・ディーゼル燃料は、専業向けではありますが、もっともコストパフォーマンスが高く、規模・性能を活かしています。

最後に、④ロータリの種別・タイプ別(位置別)です。

車軸タイプは軽く運搬性が高い割りにけっこうな性能を発揮してくれるためやはり重宝されています。しかし、広さでいうと30坪を超えてくると厳しく、また、購入後の早い段階で深耕など実際に「土を耕す」ことに物足りなさを覚える方も少なくありません。そのため、価格差を吸収できるならば、やや運搬性は下がりますがフロントロータリー式、リヤロータリー式を選ぶほうが、けっきょく買い替えるというお金と時間のムダをはぶくこととなります。

ちなみに、リヤロータリー式との境目で、ミニ乗用トラクターがありますが、メンテナンス性や実際の効率からはキマタとしてはあまりおすすめいたしません。ハウスの中など狭い範囲での耕うんがやむを得ない場合を除いてですが。

このように、作業の目的と対象の規模の大きさ、燃料の入手性が農機選びの重要な着目点となります。そこで、今回このページにいちばん最後の項目として「9.各メーカーの農機選びガイドページ」を設けました。いずれもとてもわかりやすく説明されていますので、ほとんどの農機選びの悩みは吹き飛ばしてくれるはず。各農機メーカーのホームページをうまく活用して、まずはお目当てのクラスの農機を洗い出してみてください。それでもご不明な場合は、ぜひ「農機の町医者キマタ」までご相談下さい。

 

4.予算に応じたベストな選択

農機選びにおいて、とうぜん予算は大きな条件のひとつとなります。農機本体の金額はとうぜんですが、キマタが提案するのはランニング・コスト、メンテナンス・コストの部分です。特に、初心者・ビギナーの方は、購入して使い始めてからのコストの計算をすっかり忘れてしまいがちです。

ランニング・コストに含まれるのは、耕うん機であればロータリーの刃、刈払機であればチップソー、チェーンソーの刃などとともに、オイル、燃料代などです。作業の対象規模が大きく、それにつれて性能が高くなるほどもちろんこのランニング・コストも比例して発生します。メンテナンス・コストですが、これも作業の対象規模・性能に比例して上昇します。いずれも、エンジンやモーターなど動力による成果と引き換えのため、機種ごとの差を見出すのは確かに難しいといえます。

農機は、消耗品のお値段もまちまちであり、「長持ちする・しない」の説明もまた難しく、初心者・ビギナーのかたはなおさら混乱することでしょう。ネットショッピングサイトのレビュー・評価で判断することも作戦のひとつではありますが、かならずしも正確に性能を把握していたり条件に沿った利用がされているものばかりとはいえず、得策とはいえません。

ただし、一般論ですが、人気があるとされる機種が利用目的に合致するのであれば、それを購入の中心に考えることをおすすめいたします。利用者が多いの農機については、販売店にとっても情報が多く、比較的に消耗品の値段もこなれているといえます。

消耗品については、やはり試験場など耐久性などの研究やデータのフィードバックが豊富な純正品やメーカー認定品がおすすめです。これも、人気機種ほど有利だといえるでしょう。さらに、消耗品分野では、それに特化したメーカーもございます。こうしたメーカーはかなり尖った性能や機能を持っている傾向にありますので、やはりショップでのアドバイスを受けることがたいせつです。

 

5.中古農機購入についての考え方

インターネットの発展により、中古の農機の流通市場は拡大しています。ただし、中古農機につきまとう最大の懸念は「前の持ち主がどんな使い方をしていたのか?」「どれぐらいの使用頻度だったのか?」「メンテンス・点検はしっかりされていのか?」という不安です。やはり、取扱店となるショップから販売される中古のほうが、整備の状況やアフターサービス・サポートも含めて安心です。

遠方からの中古農機の購入を検討される場合もあるでしょうが、やはり、前所有者から面倒を見てくれるショップとのつながりと”セット”で引き継げることが望ましいといえます。そのため、できるかぎり近場であるに越したことはありません。中古農機についても、信頼のおけるショップを見つけることができるかは重要です。これは、メーカー選びにおいても同様で、部品の取り寄せやメンテナンスについての情報量・はやさは、ショップにとっても実際のその機種の取扱いがあるかどうかによって大きく変わります。

 

6.メーカーから選ぶことについて

メーカーごとの違いや性能差、価格差は、現在ではかなり肉薄しているといえます。ただし、それは基本的な機能の部分で、特定の機能についてはメーカーごとに一長一短があり、得意な農作業の分野もある程度絞られます。その上で、初心者・ビギナーのかたにとっては見た目での選択もあながち間違いではないことを付け加えておきます。クボタならウグイス色っぽい青緑、ホンダなら赤などそれぞれの企業カラーがあります。また、下の動画のように、最近では農業女子向けにピンクをモチーフとした特別機種やシリーズ展開もなされています。そのため、燃料や消耗品のランニング・コスト、入手性や、定期点検やいざというときの修理対応が可能なショップが身近にありさえすれば、直感やセンスで選ぶことに大きな問題はありません。

 

7.実演・試乗・試用イベントに足を運んでみる

キマタでも、耕うん機、ハンマーナイフ、トラクター、ミニバックホー(ショベル・ユンボ)についてはいつでも実演・試乗していただけるよう、農機とともに実演圃場をご用意してお客様の農選びの悩みにお応えできるよう準備しています。詳細についてはこちらをご覧ください。こうしたショップ・販売店を中心とした実演イベントは、農機選びにとって貴重なチャンスです。ぜひ活用してください。

 

8.動画を見てみる

ホームページをご覧になっているかたで、Youtubeの動画にアクセスしたことのないかたは皆無だと思います。それだけ、動画・ビデオによる情報配信が一般的になっています。その中に、とうぜん農機利用の動画も多く公開されています。お目当ての一台について運良く動画が公開されていれば、ぜひ一度は覗いてみましょう。その上で、実演・体験イベントに足を運んでみるときっと大きな収穫を得られるはずです。

一例として下に表示されている耕うん機の動画は、ホンダの人気機種「こまめF220」です。

 

9.各メーカーの農機選びガイドページ

最後に、各メーカー珠玉の農機選びのサイトをご紹介いたします。購入前のみでなく、実際に利用を始めた後の問題点なども解説されていますのでぜひご覧になってください。

クボタ電農スクエア 管理機・テーラー・耕うん機(プロ農家向け) 

「野菜作りのプロに応える」クボタの管理機について、作業別におすすめの機械が探せる便利なつくりのサイトです。プロでない方にももちろん参考になるような情報が満載。クボタアタッチメント動画ガイドは、耕うん、整地、うね立て・中耕除草・培土土揚げ・うねづくりうね整形・マルチ施、肥播、種土寄せ、草刈り、ハウス用おすすめアタッチメントなどビギナーではなかなか知り得ない貴重な情報がつまっています。

クボタ 電農スクエア 菜園倶楽部:ミニ耕うん機の選び方 

上でも紹介したクボタのミニ耕うん機の選び方サイトです。畑の大きさ、ロータリタイプ、燃料タイプであなたの菜園にぴったりの一台を選ぶことでできます。ロータリーなどの理解は上のプロ農家向けのページで補いましょう。

ホンダ はじめての耕うん機選び 

家庭菜園の心強い味方になりそうな耕うん機。でも、いざ選ぼうとすると、いろいろなサイズやタイプがあって、また迷ってしまいます。そんなあなたために「耕す畑の広さ」「畑での作業目的」「使用する環境」の3ポイントからピッタリの機種を見つけることができます。

 

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